安田記念 ～スプリント路線組の健闘とロードカナロアの勝利
スプリント路線からロードカナロア、マイル路線からグランプリボス、カレンブラックヒル、
そして中距離路線からショウナンマイティ、ダークシャドウと、
複数の路線から有力馬が集結した安田記念。
勝つのは上位5頭のいずれかだろうと思われたものの、どうにも絞り切れず予想は難解でしたね。
府中マイルは底力優先だから、中距離実績のある馬が強いと考えた人は、
ショウナンマイティ、ダークシャドウの2軸、ロードカナロア軽視といった感じで
馬券の組み方にある程度一貫性を持たせようとするわけですが
結果を見れば、抜け出した上位3頭の路線はそれぞれスプリント、中距離、マイルとバラバラ。
3連単の配当以上に難しい馬券だと感じました。
結果を見れば、各路線とも公平に力を発揮したな、ということになりますが
底力優先の府中マイルという条件を思えば、勝ったロードカナロアと、5着のサクラゴスペルなど
スプリント路線組が予想以上にがんばったなという印象です。
その結果を生んだのは、高速馬場とやや緩めのペースだったかなと思います。
レースは今年もシルポートが先手を奪い、最初の3Fは昨年とほぼ同じ33.9*1。
ただ、昨年と異なった点は、それについていく馬がおらず後続のペースは割と緩かったということです。
そのため、勝ち時計は昨年より0.2遅い1.31.5ながら、上がりは0.5速い決着。
勝ったロードカナロアの上がりは33.3、2着のショウナンマイティは32.8でした。
この流れ、ロードカナロアのようにスプリントで結果を出してきた馬にとって
スピードと瞬発力が生かせる絶妙なペースだったのではないでしょうか。
これよりペースが早かったり、時計のかかる馬場だったりして
より上がりがかかる競馬になっていたら、底力比べで遅れをとった可能性がありますし
ペースが遅くても、自身のスピードを生かしきれずに終わってしまった気がします。
スプリントＧⅠ完全制覇に加え、東京のマイルＧⅠまで勝利という
結果だけ見れば素晴らしい成績ですし、なかなか成し得ないものですが
基本的には流れと馬場が向いたことが勝因だと考えています*2 。
ですから、ロードカナロアの今後を展望したとき
もちろんマイル路線という選択肢は出てくるのだと思いますが
絶対的なチャンピオン足りうるかというのはまだ疑問があるかなあ、と。
京都のマイルCS*3はともかく、少なくとも香港マイルは厳しそうな気がします。
今回、香港の2頭は高速馬場に対応しきれず終わりましたが、向こうにいけば条件は逆ですからね。
でもノーチャンスとは思わないので、ぜひぜひチャレンジしてほしいとは思っています。
2着のショウナンマイティは実に惜しかったですね。
あの後半の爆発力は、この東京コースで存分に発揮されたわけですが
ロードカナロアの斜行の煽りもあってスムーズに捌けませんでした。
でもそれは後ろから行く馬の宿命ですからね、
もっと上手に競馬ができるようにならないと今後もあと一歩のレースが続きそうです。
3着のダノンシャークは、近走の内容からマイルのトップレベルでも十分やれる予感がありましたが
この本番で最高のパフォーマンスを発揮してきました。
ただ、もうひとつ詰めを欠くというか、勝ち切れないところがあるのは
これだという武器が少しだけ足りないせいなのかもしれません。
平均的なパラメータは高いレベルにあるという感じで。
4着のマイネイサベルは、今回は差す競馬。
ヴィクトリアマイルでは、もう少しためることができたら・・と思っていたので
今回の結果には個人的には満足しています。
人気上位馬の中では、まずダークシャドウが6着。
前に行き過ぎると持ち味が生きない感じですかね。
底力でここまで粘りますけど、ためて差し味を生かせばもっと上位を狙えた気がします。
グランプリボスが10着。
人気馬のなかではまず崩れないだろうという前評判でしたが、折り合えずあっさり脱落。
休み明け苦手な馬がいきなり前走で好走したので、リズムに狂いが合ったかもしれません。
期待したカレンブラックヒルは14着でした。
調子が悪かったとは思いませんし、それよりはスピード、キレ不足を露呈した感じです。
この流れでは前に行っても厳しく、かといって切れる脚を使えるわけでもなく。
1800以上の少し速いくらいの流れで楽に先行できる形がベストのように思います。
NHKマイルとはペースが違いました。あまり成長もしていないかもです。
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